アフリカ新興国市場における新商品・ブランド導入(新規事業開発)の全面支援
details資本主義最後のフロンティアといわれるアフリカ。クライアントの大手素材メーカー:住友化学は、日本で唯一のメーカーとして、アフリカを中心とした全世界において、国際連合や赤十字といった国際機関を通じた大規模ドネーション(寄付)に向けた薬剤含浸蚊帳オリセット・ネットの製品供給を行ってきました。生産規模の拡大などのさまざまな努力の結果、世界シェアNo.2サプライヤーの地位を獲得していたものの、ドネーション環境ではない、一般流通を通じてのエンドユーザーにむけた「通常のB2Cマーケティング活動基盤の整備」が必須の状況となっており、社内におけるノウハウも十分とはいえない中で、社内関係者のとりまとめ、事業計画の立案、そして事業立ち上げの実行・推進のけん引役を必要としていました。
当社メンバーは本プロジェクトの推進担当者として、市場環境の評価、商品の評価、事業計画、ディストリビューション計画、プロモーション企画、制作監修など一連の新規事業開発のために必要な要素を同社内ですべて整備し、13ヶ月の期間を通じて、ケニア国における同社の新ブランド商品の発売開始にむけた一連の準備を取り纏め、川上のプレーヤーである同社本体による、世界初のエンドユーザー向け商品の立ち上げのリードを行いました。
東南アジアの提携工場による生産品をアフリカ市場へと展開するスキームは、OUT to OUTモデルであり非常に多くの困難を伴ったものの、同社関係者・チーム全体の持つノウハウが結集されたことによって、数多くのハードルを乗り越え、商品ローンチへと到達することが可能となりました。
同社では、AMO支援により構築されたケニア国での立ち上げを雛形として、グローバルで百億規模の事業へと育成すべく、さらなる新商品の開発や、新規市場への展開計画を現在も推進しています。
プレミアム自動車ブランドのワールドワイド・ブランディング基盤強化
detailsクライアント:トヨタ自動車では自社プレミアム自動車ブランド:レクサスのグローバル向け本格展開にあたり、これまで各地域事業体に販売マーケティング活動を一任してきた結果、具体的なマーケティング施策はもちろん、その根本的なブランドの考え方も地域色が強まっている状況を打開する必要性に迫られていました。自社ブランドのUSPを形成する「現地力」を低下させずにマーケティングの方向性を揃える施策として、「地域事業体と一緒に、ブランドのガイドラインを策定する」ことが決定されました。
当社はプロジェクトメンバーとして初期より1年近くにわたり参画し、マーケティングの各分野ごとの分科会(タスクフォース会議)を中心に10回以上におよぶ世界各地での現場討議を通じて、VI、店舗、店舗看板、Webサイト、顧客向けマガジンの5分野における「グローバル共通ガイドライン」策定・リリースの中心的な役割を担いました。
これらのガイドラインは、このブランドがグローバルで一つの方向性を目指すための指針となり、かつ現在も進行中の全世界でのブランドの一貫性確保にむけた、基軸的存在として活用されています。
商品情報PR スキーム構築および実行支援
details旗艦モデルのフルモデルチェンジを前に、クライアントであるトヨタ自動車では今回のモデルローンチをこれまでにないインパクトをもたらす形で実施する方法を模索していました。検討の結果、マーケティング実務は各地域事業体が主導で実施するが、モデルローンチ前の活動、とくにローンチに先立って市場の関心を高めるための情報ディスクロージャー活動について、グローバルで地域事業体と密な連携をはかり、メーカーとしても最大限の情報を出していく方向性が決まりました。
AMOはこの一連のグローバル情報ディスクロージャー(PR)活動に当初から参画し、ローンチにむけたPR情報開示の内容・スケジュールのレビュー、予算配分の検討、各国事業体間の協業スキーム作り、そしてリリース現場(イベント)における各国間協業のコントロールタワーとして実行支援を行いました。結果として、ともに史上初めての取り組みである、ブランド全体のポテンシャルを体感させる、厳選記者向け極秘イベント、グローバルでのPR記事の同期化・メッセージ統一化のためのグローバルプレス試乗会、などが成功裏に実現し、過去に例を見ない全世界でのPR記事の盛り上げに成功することができました。同時に、地域間でディスクロージャーを同タイミング化することで、ローンチ時期のズレによる地域間のトラブルを発生させずに、旗艦モデルのスムーズなローンチが実現されました。
本プロジェクトにて確立された史上初のグローバル協業の取り組み方は、その後のモデルローンチ時のオペレーションの雛形として改善を施され、現在でも継続的に活用されています。
日本の技術による防虫蚊帳「オリセットネット」は多くの関係者の苦労のもとに世の中に生み出され、世界機関によるメジャーな「援助物資」として国際的な会議の場で花開く。さらにアフリカ・ケニアの一般市場において一商品としてスーパーマーケット店頭で売られ、後発ブランドでありながらトップシェアを獲得して市民権を得る。本書はこれらのビジネスが世に羽ばたいてゆくまでの姿を、実話ストーリーとマーケティング・コラムにより詳説。日本企業のアフリカ進出の好例として「グローバル・フロンティア市場開拓」の現場を描く。
当社代表である著者自らがプロジェクトに携わった経験に基づく「生の体験」と「実地視点での筆致」が特徴。2015年には全国各地で計10誌近い新聞紙面に書評が掲載されている。
浅枝 敏行
東京都生まれ
東京大学農学部卒業(遺伝子解析)
東京大学農学系大学院(生物統計学)中退
大学院在学中より外資系半導体企業など数社でインターンに従事した後、米ERPベンダー、マーケティング・コンサルティング会社、広告代理店にてマーケティング企画・実行業務に従事。
当社(旧:アサエダ・マーケティング・オフィス社)を設立後、業界トップ企業から中小企業まで幅広い業種における、国内事業、先進国/アジア/アフリカ事業での事業プロデュース、ブランド&マーケティング、価値開発に携わる。宅地建物取引士
小川 真貴子
愛媛県生まれ
慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス卒業
株式会社サマデイ、電通、株式会社デルフィスにて、教育ビジネスの現場や、グアム政府観光局、トヨタ自動車、美和ロックやサンギなど幅広い業種のプロモーションに従事。
株式会社リクルートにて新規事業開発、妊産婦・ベビー向け媒体企画などの領域拡大を担当しMVPを受賞。
新規事業スキーム開発、営業拡大/組織オペレーション、顧客リテンション向上。こまちテラス(株)代表取締役、(一社)&Japan代表理事。社会福祉士